追悼

私がT君のお母さんと初めて会ったのは
長男の中学の入学式の後、
各クラスに分かれて役員決めの時でした。
T君は小学校は違いましたが、
サッカー部だったのでよく知ってたんです。
自己紹介の時
「Tの母です。」と言われて
「あ~!T君の~!」と、思わず口にしてました。
お母さんは少し驚かれて、
「え?どうして?(うちの子がわかるの)」と聞くので
「それはもう!T君は有名だから~!」と言うと、
お母さんはすこし戸惑って、
「え?有名?え?なんで?・・・・・太ってるから?」と苦笑いされたので
おかしくて笑いながら
「違いますよ~!明るくてひょうきんだから~!」
この会話で一気にクラスのムードが和み、
私はものずごく親近感を感じ
初対面とは思えないほど勝手に距離を縮めていたんです。

1年1組で役員となった私たちはその後学級懇談会で顔を合わせ、
その時に長男の学校生活に不安を感じていた私は
どうしても学級レクを開催したいと提案しました。
団結力のある楽しいクラスになってほしいのと、
担任の先生との連絡を密にとれるようにしたい気持ちもありました。
私の気持ちを察してくれたのでしょう、
T君のお母さんと他のお母さんも賛成してくれて
夏休み前に学校でチーム対抗バスケットのあとに
BBQをすることになったんです。

学級レク当日、
ものすごい夏日でした。
こんなに暑くなることないのに・・・
みんなが熱中症にならないことだけを祈ってました。
この日のBBQは
T君のお父さんが全て手配してくれて
お母さんが仕切ってくれたので
私は何の心配もなく
子どもたちにも(暑くて食は細かったけど)
喜んでもらえて大成功だったので、
達成感と、嬉しさでいっぱいでした。

その後、
お母さんとは学校で2回ほど、
三者面談かなにかの時に会って
ここ1年以上お会いしてませんでした。
もう一緒にBBQすることはないんだろうな・・・と思いながらも
またいつか一緒にBBQしたいな~と
漠然と考えていたんです。

でも、もう本当に
BBQはできなくなってしまいました。

T君は学年で大きい子、うちは小さい子。
二人が並ぶと
それはそれは親子ほどの体格の差でした。
学級レクの日の朝、
一番に来て準備をしてくれていたT君親子。
「T君が先生に見えて挨拶しちゃった!」って
笑いながらお母さんに言うと、
「うそでしょ?」と笑われました。

「ほんとに同じ学年とは思えないよね!」
って笑い合った
あの日のお母さんの笑顔を
忘れません。

楽しい思い出をありがとうございます。

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